【第3回】 つくば市の気候と季節に合わせた快適に過ごせる家づくりをしよう!
●一年を通して快適なお家作りをするために大切なこと
【登場人物】
■高野工務店三代目社長 高野 和賢 (たかの かずよし)
・ご家族が快適に暮らせる家の設計とそれを見える化した分かりやすい提案が得意
・趣味は野球と読書
■A子(えいこ)
・6才、4才、2才の3人の子どもがいる30代主婦
・最近、夫の地元である茨城県つくば市に引っ越してきた
・これからつくば市内で新築を建てるところ
新築の家をつくば市内で建てることを検討している主婦A子。
家づくりで行き詰まっている時に出会った高野社長へのインタビューを通して初めての家づくりに大切なことを教えてもらうことになった!
前回は日当たりシミュレーションから考える間取り設計の大切さを学んだA子。
実際に日当たりシミュレーションを見たことで、なぜ周辺環境を考えることが大切なのかが少しずつ分かってきた。
●「冬の日当たりシミュレーション」が大切な理由とは?!
――前回、周辺環境から間取りを考えていく家づくりが大切だと教えていただきましたが、もう少し詳しく知りたいです!
高野社長:
わかりました。前回見ていただいた冬の日のシミュレーションをもう少し詳しくご紹介しましょう。
前回、2階に吹き抜けを作ったら1階に陽が落ちてくるから、朝から電気をつけなくていいですねとお話ししました。
――はい、電気代の節約にもなっちゃうというのが驚きでした!
高野社長:
吹き抜けを2階に作った場合、例えば、1階の左からリビング、ダイニング、キッチンという並びなら、朝もリビングからキッチンまでしっかり陽が入るから横並びのレイアウトも良いですねというご提案もできます。
――なるほど~!陽の入り方からリビングダイニングキッチンの場所を決めていけるんですね!
高野社長:
そうですね。実際に暮らした時の陽の入り方を事前にシミュレーションすることで、
快適に過ごしていただける間取りを決めていけます。
つぎは、日当たりシミュレーションを動かして隣家の影の先端の動きを見ていきましょう。
これを行うことで、例えば、隣家の先端の影が室内に入らないギリギリのラインまでなら南に建物を持ってきても良いですね、というご提案もできます。
――おもしろいですね~~!
高野社長:
建物が建つ前から、陽の入り方や暮らし方を具体的にイメージしていただけるので、建物が建って住み始めてからのギャップが少なくて済みます。
――なるほど!
高野社長の所でお家を建てる時は、この日当たりシミュレーションは四季折々の陰を見ていくんですか?
高野社長:
基本的に建物を建てる前の段階だと、12月20日近辺でしか日当たりシミュレーションは行わないです。
――冬の日当たりシミュレーションのみなんですね。それは、何でですか?
高野社長:
この12月半ばあたりが太陽高度が一番低いからです。
一番、日当たりを確保するのが厳しい時期ということですね。
日当たりシミュレーションの目的は、冬の日差しを確保するために行っています。
冬のこの時期で陽が当たれば、それより太陽が高くなってくる春とか秋とか夏はもちろん問題ないよ、ということです。
まぁ、夏は日差しを入れたくないのでまた別の考え方があるんですけどね。
次は、こちらの画面を見てください。
実際に建物が建ったらこうなるよ、というのを同じ12月でシミュレーションしたものです。
――建物があるバージョンはより分かりやすいですね~!
高野社長:
はい。お客様からもよりイメージしやすいというお声をいただきます。
この状態で陽の当たり方も見ていきましょう。
▼冬の朝9時半頃(建物有りの場合)
▼冬の12時半頃(建物有りの場合)
▼冬の13時半頃(建物有りの場合)
▼冬の15時頃(建物有りの場合)
――部屋に入る影や陽の当たり方がとっても分かりやすいです!
高野社長:
吹き抜けを南側の2階の前面に作りたいとなった場合は、吹き抜けから陽が入るようにポジショニングしてあげるんですが、シミュレーションしながら陽の入り方を見ていきます。
ここまで見ていただいたのが冬バージョンの日当たりシミュレーションです。
――冬は日差しをどうやっていれるかを考えていくんですね。
さっき、高野社長が言いかけていた「夏は別の考え方がある」というのが気になります~。
どういう意味ですか?
高野社長:
建物ができたときは夏バージョンの日当たりシミュレーションも見ていただきます。
7月20日頃の日当たりシミュレーションを行うのですが、高性能なお家で日差しを室内に入れちゃうと「オーバーヒート」と言って、暑くなってしまいエアコンが効かなくなってしまうのです。
――高性能なお家なら夏も自然と涼しいのかと思ってましたが、違うんですね!
高野社長:
そうですね。夏は日差しを室内にいかに入れないかということを考えていきます。
例えば、庇(ひさし)とか袖壁(そでかべ)をつけてあげると、夏の西日が家に入りにくくなります。
――へ~~~!おもしろいです!
高野社長:
うちで建てるお客さまにはシミュレーションを1回1回やっています。
例えば、和室の窓の上に60㎝くらいの庇をあとでつけてあげると、和室への西日も入らなくなったりします。
日当たりシミュレーションでこんな風に調整をしてあげると夏場蒸し暑い2階がなくなるというわけです。
――なるほど~~!
今まで漠然と「冬に寒くない家がいい。あったかい家がいい」と、欲しい家についてハウスメーカーさんに伝えてきたんですけど、日当たりシミュレーションを見せてもらって「具体的に考える」ってこういうことなのかって感じました!
高野社長:
ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。
「見えないモノを見える化したご提案」が高野工務店の良さですから。
――具体的に目で見たことで、とっても分かりやすかったです。
ちなみに、つくば市の気候に合った家づくりというのもあるんでしょうか?
高野社長:
そうですね。省エネ地域区分という地域区分があるのですが、茨城県には「4地域」、「5地域」、「6地域」のエリアがあります。
数字が大きいほど暖かい地域になるのですが、つくば市は「5地域」になるので、温暖な地域の中でも少し寒い地域にあたります。先ほどお見せした日当たりシミュレーションを踏まえ、冬の寒さも夏の暑さも考慮した家づくりと、根本的な家の性能がとても大切になってきますね。
――なるほど~!
ちなみに日当たりシミュレーションは、土地を探す段階で考えていったらいいですか?
土地が決まって、さあ建てよう、どこにお願いしようかな、という段階で考えたらいいのでしょうか?
高野社長:
そうですね。土地がある人であれば初期段階から一番最初にやった方がいいですね。
これをやらないと駐車場の位置などが決められません。
日の当たらないところは水廻りとか収納スペースとか駐車場とかになってくるので。
LDK、吹き抜け、あと2階にセカンドリビングがあればそういったところなど、陽の当たる快適なところから、家族が集まる場を入れていってあげるのです。
――なるほど~~~!!!
日の当たるところにLDKや吹き抜けとかを持ってきて、日の当たらないところは駐車場とかお風呂とかの水廻りをもってくるんですね。
高野社長:
基本的な考え方はその通りです。
敷地図だけを上から見て間取りを決めることが快適なおうちづくりから遠いやり方だということが分かっていただけたのではないでしょうか。
結局、敷地って真南を必ず向いているわけではないので、方位も見ていくことが大切ですしね。
――えっ!それってどういうことですか?
冬バージョンと夏バージョンの日当たりシミュレーションを高野社長に見せてもらったことで、A子は日当たりシミュレーションをした上で家づくりをしたいと思うようになっていた。
- 冬は太陽の高度が低いから冬の日差しを確保するのが日当たりシミュレーションの目的でしたね。
- はい!冬の日差しを確保できると光熱費も抑えることができますし、嬉しいことばかりですね。
- そうですね。自然のエネルギーを最大限活用すればより省エネなお家づくりをしていただけます。夏は、エアコンの効きを良くするためにも日差しを入れないという考え方をお話しさせていただきました。
庇や袖壁やシェードなど、夏の日射遮蔽の計画も家づくりにはとても大切になってきますので、覚えておいてくださいね。
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家づくり説明書〔インタビュー編〕の目次ページ
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【第5回】 つくば市で賢く家づくりするために高野工務店で大切にしていること
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【第4回】 土浦市の敷地に斜めに建つお家
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【第2回】 間取りを決める前に考えよう!敷地に対して最適なリビングはどこ?
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【第1回】 つくば市で初めての家づくり 何から始めたらいいですか?
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